エステ 東京 スクール|うつ病(不安障害)のセルフケア③
3. 関連研究データ
ここまでのブログではうつ病についての概要と自己診断、表面的な理解を深める内容でご紹介していました。
今回3章ではうつに関わる豆知識をご紹介して参ります。
『うつにかかりやすい職業や社会環境』
厚生労働省が令和4年に発表した「過労死等の労災補償状況」※3 から、
精神障害に関する事案の労災補償状況において、業種別に請求件数、支給決定件数ともに「医療,福祉」、「製造業」、「卸売業,小売業」の順に多かった。
1番多かった「医療、福祉」の大分類の中からさらにかみ砕いて中分類にして最多であったのは「社会保険・社会福祉・介護事業」。
「社会保険・社会福祉・介護事業」
介護事業は身体的な負担も大きく、慢性的な人手不足の状況や給与面や人間関係の不満から精神を病んでしまう方が多い傾向にあります。
職業別については大分類別では「専門的・技術的職業従事者」、「事務従事者」、「サービス職業従事者」の順で多く、中分類では「事務従事者」のうち「一般事務従事者」が最多数。
「一般事務従事者」
事務職は、早く細かい作業を求められ、ミスの許されない作業も多い一方で、給与は他職種に比べると一般的に低くなりがちです。
大きく評価されることが少なく、仕事の内容も変化がないこともあります。
逆にマルチタスクで負荷が強い場合もあります。
人間関係も社内のみになりがちで、上司や同僚と合わなければ人間関係のストレスが固定しやすい職種なため、精神を病みやすい職業といえるかもしれません。
年齢別では請求件数は「40~49歳」、「30~39歳」、「50~59歳」の順で多い背景に対し、支給決定件数は「40~49歳」、「20~29歳」、「30~39歳」の順。
1か月間の時間外労働については支給決定件数は「20時間未満」が87件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が45件。
一般的に過労死ラインは「残業80時間」を超えると生じると言われており、発病直前の1ヶ月間、概ね160時間以上の時間外労働を行っていた場合をいいます。また、発病直前の3週間、概ね120時間以上の時間外労働を行っていた場合、直ちに労災が認められることがあります。
厚生労働省の調査では出来事別の傾向も発表しており、こちらは 支給決定件数は多い順から、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」の順に多いことがわかった。
『最新版 抗うつ薬に期待される成分』
・インターフェロン
インターフェロンは蛋白質の一種で、細胞間相互作用を起こす「サイトカイン」の1つです。
抗ウイルス作用や細胞増殖抑制作用、抗腫瘍作用、免疫調節作用など様々な生理活性を持ち、幅広い疾患に対して治療薬として使われています。
森岡らが2023年に発表した研究成果によると(※4)クルクミン(ウコンなどに含まれるポリフェノール)投与によるうつ・不安様行動の改善や、
「Ⅰ型インターフェロン受容体に対する中和抗体をモデルマウスに経鼻投与すると、ミクログリアの活性化が抑えられるとともに、うつ・不安様行動が改善しました」とあり、実際に下記のグラフのように相関も出ていることが分かります。
・ケタミン誘導体
ケタミンの抗うつ効果はうつ病研究の歴史において過去60 年間で最も大きな発見とまで言われています。
内田周作 医学研究科特定准教授(現:名古屋市立大学准教授)、大槻元 同特定教授、村井俊哉 同教授、大石直也 同特定准教授、九野(川竹)絢子 医学部附属病院研修医(現:米国マウントサイナイ医科大学博士課程学生)らの研究グループは、新しい抗うつ薬として期待されているケタミン誘導体による持続的な抗うつ作用には視床室傍核とよばれる脳の領域が重要であること(※5)、そして分子メカニズムを発見しました。
既存の抗うつ薬は効果発現まで時間を要すること、治療効果が限定的であること、再燃しやすいことが課題点となっていますが、この研究成果から、持続性を有する新しいタイプの抗うつ薬の開発につながることが期待できます。
まだまだ不明な点が残るケタミンですが、今後さらなる希望の光がさすことを期待するばかりです。
【参照資料】
3)厚生労働省 「過労死等の労災補償状況」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33879.html
4)森岡ら 広島大学大学院医系科学研究科 「【研究成果】ミトコンドリア異常がうつ・不安をもたらす~新しい治療薬の創薬標的として期待~」https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/77719
5)内田周作 医学研究科特定准教授(現:名古屋市立大学准教授)、大槻元 同特定教授、村井俊哉 同教授、大石直也 同特定准教授、九野(川竹)絢子 医学部附属病院研修医(現:米国マウントサイナイ医科大学博士課程学生)ら 「抗うつ作用に重要な脳の領域を発見 ― 新しいうつ病治療法の開発に期待 ―」https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2024-02/2402%20Uchida_Neuron_relj-fb96b0233b46e46a13c92399ca3a513f.pdf
3章も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
最終章では「改善・予防のためにできること」についてご紹介をしてまいります♪
ぜひ最後までご覧ください。
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